学びってなに

Learning

G7伊勢志摩サミットに先立って三重大学で行われたユースサミットにて行った教育分科会で学んだことを共有します。

この分科会では、高校生、大学生、そして社会人など、幅広い年齢層、職業と興味分野を持った人たちが参加しました。まず「教育」というより、私達は「学び」のほうに重点を置きました。「教育」は「教えて育てる」という、わりと上から目線でひとに接しているのに対して、「学び」は自発的な行動です。

まず、「学びとは何か」。

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環境と金融

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私達が普段お金を預けている銀行は、私達の貯金をどこに投資しているか、ご存知でしょうか?建設業界、証券取引、製造業など、様々な業界に私達のお金が投資されています。私達の貯金のおかげで、より良い生活、より質の良い建物、生活をより便利にするための製造ができるのであれば、少しは嬉しいのでしょう。

しかし、私達の貯金は実は、あまりよろしくない、悪く言えば非人道的なところに投資されていることはご存知でしょうか?

実は、日本のメガバンクから、クラスター爆弾製造業への融資額はなんと、896億円です。

(詳細はこちらの10と11ページをご参照下さい:http://www.aseed.org/ecocho/topic/symposium1212/day1_case1_tsuchiya.pdf)

クラスター爆弾は容器となる大型の弾体の中に複数の子弾を搭載した爆弾です。投下の後に空中で破裂することで子弾を散布し、多数の小規模な爆発を引き起こすなどして広範囲の目標に損害を与えるという、非常に非人道的な武器です。(Wikipediaより)

私達が知らないところで、私達の貯金で戦争を促している、平和や環境を破壊しているようなところで利用されているといっても過言ではありません。私達は平和な生活を送りながら、日々「戦争やめろ」とか、平和の実現を訴えている反面、私達は間接的に戦争で使われる、非人道的な武器のクラスター爆弾製造に貢献しているのです。

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伊勢志摩サミットに向けて

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今年の5月にG7伊勢志摩サミットが日本で行われます。それに先立って、今回のサミットの議題についてご紹介したいと思います。5月26、27日の本体会議のほか、5月23日、24日の市民の伊勢志摩サミットや5月21日、22日のユースサミットなどのイベントも行われます。

まず、G7伊勢志摩サミットでは以下の7つのテーマについてG7参加国の首脳が話し合う予定です。以下正式ホームページから引用しています(http://www.g7ise-shimasummit.go.jp/summit/theme.html)(一部抜粋)

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ESD活動実践の困難さと解決方法

ESD*日本ユースプラットフォームを通して日本各地で行政、学校、NPOなど、様々な職業でESD活動を行っている実践者にアンケートを取らせていただきました。ESDを実践する上で困難に感じていること、それを解決する為に必要なもの・こと、「活動は成功した!失敗した!」と感じたときなどの質問に回答していただきました。

*ESD: Education for Sustainable Development(持続可能な開発のための教育)

そこで、ESD実践者の皆様からいただいたESD活動実践の困難さをマインドマップにして分析してみました。

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ご覧の通り、ESD活動実践の困難さは以下の6つのカテゴリに分けることができます。

  1. 認知・認識
  2. 構造
  3. 継続性・コミットメント
  4. 結束力・団結力
  5. 成果のモニタリング
  6. 資金

認知・認識は言葉のとおり、ESDという概念に対する認知、理解を指します。認知・認識の問題点というのは例えば、「定義が広すぎる」、「単純な説明ができない」、「ESDがイメージしづらい」などが挙げられています。

構造は行政上、管理上の構造を指しています。例えば、認知・認識はされていても、企業、行政、学校でESD活動を行っている場合、どの部門に入るか、そこの構造がはっきりしていない、または存在していないので、実施することが難しいという回答をいただいています。更に、ESDの研究はあっても、ESDという学問がないので、それぞれの分野(社会学、理工学、環境科学など)に分類されることが多いのではないかと思います。

継続性・コミットメントは「参加するきっかけ」、「参加してから続けるモチベーションやコミットメント」のことを指しています。どの切り口でもいいから、ESDに一歩踏み入りやすいのかどうか、またはESDに一回踏み入ってから続けられるかという問題点です。これに関する困難さは例えば、「負担を感じる、または忙しくて時間がないから、できない・続けられない」、「一過性のイベントで終わってしまう」、「見学までは参加するが、実際に本格的にやるのに相当な覚悟が必要」、それから「ESDは年配の経験者が多くて若者は入りづらい、発言しづらい」などといった問題点が挙げられています。

結束力・団結力は、様々なステークホルダー(産学官民)、または地理的に散らばっている実践者が繋がっていないという問題点を指しています。ネットワークはそれぞれ存在しているが、地域ごとに分かれていて繋がっていないので、情報交換もできないし、お互いに必要なものを持っていても共有できないという状況です。

成果のモニタリングは、評価の物差し、または成果の監視を指しています。モニタリングが重要なのは、成果がわからないとどれくらい影響があるかわからないからです。ここで挙げられた問題点は「達成度合いがわからない」、「学校のESDは学業成績にどんな影響を与えているのかわからない」、それから「成功例、具体例がない」などです。成果のモニタリングができないと、効果があるかどうかわからないので政策提言もできないのです。

最後の資金は言葉の通り、資金調達に関する問題点です。

更に、実践者には以上の問題点を解決するのに必要なものを書いていただきました。

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それぞれの解決策を以上の6つのカテゴリを当てはめてみました。例えば、「具体例、教材集」ができれば、成果のモニタリングができ、違う地域で実践している方々を団結させることもでき、最終的には認知・認識を上げることもできます。

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最後の結論としては、先ほどの6つのカテゴリは上記のピラミッドに表すことができるのではないかと考えています。一番下の「認知・認識」は基礎となって、「認知・認識」ができてから構造を固め、それから、「継続性・コミットメント」、「結束力・団結力」、「モニタリング」、「資金」という順番でやればいいのではないでしょうか。もちろん、個人や団体のやり方で前後するかもしれません。

ただ、ここで強調したいのは、「認知・認識」、「構造」は下のあるものの、必ずしも一番重要だと限らないということです。アンケート調査で「ESD活動が成功した、または失敗したと感じた経験」を実践者に問いかけたところ、ほとんどの回答は「参加者は積極的に・継続的に参加してくれた」や「参加者は帰ってこなかった」、または「参加者にポジティブなコメントをいただいた」や「どれくらい成果があるかわからない」など、どちらかというと、ピラミッドの真ん中の「継続性・コミットメント」、「団結力・結束力」、「成果のモニタリング」が成功・失敗の決め手だったということです。

参加者に楽しいと思って、継続的に参加してもらえれば、ESD実践者が団結することができれば、成果のモニタリングができれば、必然的に「認知・認識」が高まり、その結果、行政上にもそういう構造ができるようになり、最終的にはESDの意味を理解してもらえれば、資金も投入されるはずです。

ESD活動は昨今全世界が一丸となって「持続可能な未来」を実現するために不可欠な活動だと思います。ESDの実践者の皆様にもう一度自分の活動の問題点を以上のフレームワークでに基づいて適度に改善していただければと思います。